最強の雑草「スギナ」について少し掘り下げて考えてみた~家庭菜園におけるスギナの利活用~
最強の雑草「スギナ」について少し掘り下げて考えてみた~家庭菜園におけるスギナの利活用~
今回の概要
最近、スギナ茶を作って飲んだりと、スギナに対する興味関心が一気に増えてきました。スギナは、栄養豊富だということで、スギナ茶など飲用以外にも草マルチによる緑肥の効果もあるのではないかと思い、スギナの緑肥としての効果の可能性を少し掘り下げて考えてみました。
スギナは、あかクローバーなどの緑肥と比較しても、リンやカリ、マグネシウムなどの栄養素が5倍~7倍程度含有されているようです。皆さんもスギナで緑肥効果を狙った草マルチをしてみませんか?
今回の内容
家庭菜園におけるスギナの利活用について
どうも、よっしーです!
最近は、今回のテーマであるスギナを使ってスギナ茶を作って飲んでみてから、スギナに対する興味関心が一気に増えました!食べたり、飲んだりするということ、自分の体に摂取するという行為は、その対象物に興味関心を持つ大きなきっかけになるのだなと感じています。
スギナ茶
スギナに興味を持つきっかけになったのが、このスギナ茶です。
Twitterでも興味を持っていただいた方がいて、自分が思っていたよりも反響がありました。うっすら青汁の臭いがしますが、味自体はクセが無く思ったよりも飲みやすい印象でした。個人的には、セージとレモンバームのハーブティーとブレンドすると青汁臭すらほとんど感じず、スギナ茶の栄養だけ吸収できるため、おすすめです!
スギナの栄養素についてですが、ホウレンソウの150倍程度のカルシウムが含まれており、そのほかにも自律神経の調整やアンチエイジングにも良い影響があるのだとか。
健康に良くて、なおかつ苦かったり、渋かったりしないことを考えれば素晴らしいお茶ですよね。
(スギナ茶については、妊婦の方など大量摂取が推奨されない場合もあるようなので、各自でご確認の上、飲用をお願いします)
スギナ青汁
スギナ茶以外にも、スギナをボイルしてから冷凍し、粉砕して青汁として飲むという活用方法についてもTwitterでコメント頂いた際に教えてもらいました。ちょっと、お茶よりも勇気がいりますが、クセが無く飲みやすいとのことです。夏は冷やしたスギナ青汁、冬はスギナ茶いった具合に季節に合わせた飲み方が出来たら良いですね。
商品としても、スギナのブレンド青汁が売ってました!
私はとりあえず自作してみようかなと思います。
|
草マルチと緑肥
スギナの繁殖力は本当にすごく、毎年抜けども抜けども約束したように必ず生えてきます。1年目の時よりは、それでも大分少なくなったと思いますが、放置しているとあっという間に畝が侵食されてしまいます。
ただ、スギナは生やしておくと、作物の栄養を奪う競合となりますが、抜いた時から草マルチや緑肥に変わります。あのふさふさのフォルムは意外に草マルチに使いやすく、柔軟性もあるため、作物の周りをマルチとして囲う際にも使いやすいです(以下の写真は、茎ブロッコリーとサニーレタス、リーフレタスの混植畝にスギナと雑草を草マルチした状況です)。
しかも、スギナ茶のところで書いた通り、栄養が豊富という事は、緑肥としても非常に優秀なのではないかと思います。ちょっと気になったので、以下のとおり、ちょっと掘り下げて考えてみました。
緑肥としてのスギナを掘り下げて考えてみた
スギナの栄養素
スギナの主な栄養素については、以下のようになっています。
以下、参考サイト様です。
http://suginahealth.sakura.ne.jp/sugina.html
ミネラルの宝庫と呼ばれるスギナ茶について。気になる味や作り方も | CHANOYU
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/epinard3.htm
(100g中の栄養成分)
・カリウム 3620mg(ホウレンソウで708㎎)
・カルシウム 1940mg(ゴボウで127.4㎎、ホウレンソウで12.5㎎)
・マグネシウム 300㎎(ホウレンソウで100.8㎎)
・ケイ素 4250mg(ホウレンソウやシュンギクにはほぼ含まれていない)
・リン 215㎎(ホウレンソウで43㎎ ※スギナのリン含有量はその5倍)
上記では、主にホウレンソウと比較していますが、栄養豊富と言われるホウレンソウと比較しても、スギナの栄養素が尋常じゃなく高いということがわかります。
個人的に特筆すべきは、ケイ素が飛びぬけて高い(他はほぼ含まない)ことが挙げられます。いずれにしても、植物の三大栄養素であるリンとカリに加えて、マグネシウム(苦土)も非常に多く含んでいることがわかります。
それでは、上記を踏まえて、スギナの緑肥としての効果を考えてみましょう!
スギナの緑肥効果を考えてみる
さて、スギナの栄養がホウレンソウと比べてもすさまじく高いということがわかりました。でも、緑肥として考えるのであれば、食べる野菜であるホウレンソウとスギナの栄養を比べてもあまり意味ないんじゃないかと思う方もいるのではないでしょうか?
実際、私がそう思ったので、以下のように少し掘り下げて考えるために調べてみました。
以下、参考サイト様です。
緑肥の効果について|芝・緑化・緑肥 〜タキイの緑肥景観用作物〜 - タキイ種苗
平均的に栄養素が高かった、あかクローバーと比べてみます。さて、それでは実際に緑肥の栄養成分を見てみましょう!
(あかクローバー生草の栄養成分)
・K2O 0.56%
・CaO 0.37%
・MgO 0.10%
・P2O5 0.10%
あれ、ちょっと上記のスギナと表記と単位が違いますね。それでは、ちょっと変換してみます。一応化学出身なので、少しならこういったこともできます。
(あかクローバー100g中の栄養成分)
・カリウム 465㎎
・カルシウム 264㎎
・マグネシウム 60.3㎎
・リン 43.7㎎
それでは、もう一度スギナの栄養成分を見てみましょう!
(スギナ100g中の栄養成分)
・カリウム 3620mg
・カルシウム 1940mg
・マグネシウム 300㎎
・リン 215㎎
それぞれ、カリウムが約7.8倍、カルシウムが約7.3倍、マグネシウムが約5.0倍、リンが約4.9倍となりました!
こうして見てみると、いかにスギナが緑肥としても優秀かがわかります、各栄養素が5倍以上含まれているわけですから、少量でも高い効果が見込める可能性があります。
また、先ほど特筆すべきと書いたケイ素については、うまく比較できる資料が見つからなかったのですが、ケイ素は作物の物理的な強度のアップにも効果があると思われます(コメについては、倒伏防止などの効果があります。その他いもち病の抵抗性も増すなどの効果もあるようです)。そのため、茎などを丈夫にしたい場合などは特におすすめかもしれません。
以下、参考サイト様。p31~の部分です。
https://japan-soil.net/report/h26vision_rpt02.pdf
実は、必須栄養素の部分で、窒素について触れなかったのですが、お気づきの方いましたでしょうか?これは、スギナについての窒素成分を確認できる良い情報が見つからなかったためです。
以下、窒素について、推測で記載します。ご了承ください(上記もあくまで推測ですが)。
・スギナの胞子茎であるつくしの100gあたりのタンパク質量 3.5g
(以下、参考サイト様です)
野菜類/つくし/胞子茎、生 - 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
タンパク質と窒素含有量の一般的な比率 6.25倍(タンパク質÷窒素含有量)
(以下、参考サイト様です)
きょうのキーワード:窒素-たんぱく質換算係数-きょうのキーワード|メディカ出版
以上から、3.5g÷6.25=0.56g(560㎎)となります。
先ほどの緑肥の成分量(詳細は、参考サイト様を参照してください)で窒素分が一番高いしろクローバーで640㎎なので、窒素分で見ても、これに匹敵する可能性があります。(ちなみに、あかクローバーでは、430㎎です。)
あくまでつくしの成分量なので、スギナが全く同一では無いとは思いますが、窒素分の観点からも緑肥に劣らず優秀である可能性もあります。
さて、スギナについて掘り下げて考えてみましたが、ちょっとマニアックな感じになってしまい申し訳ありません。ただ、家庭菜園にスギナが生えていたら、スギナマルチしてみたくなりませんか?私は、すでにスギナを引っこ抜いたら、すかさず草マルチにしちゃっています!